目次 読了10分
- 概ね好意的に解釈されてきた過去の信長
- どこからか始まった現代版・信長包囲網
- 人間味のある温かいエピソードを無視する批判者
- 当時の寺社は信者を駆り出す武装集団
- サイコパスは創価学会の会長・池田大作ではないのか?
- 今も昔も変わらず悪用される宗教の善の側面
- 信長いたからこそ乱世が早く平定されたという事実
- 主君・信長の恩義を無視した羽柴秀吉
- 酒宴で披露したドクロは残虐性どころか正反対の逸話
- 豊臣秀吉の残虐性を示す聚楽第落首事件
- 柴田勝家ら武辺者を恐怖で従わせることなど不可能
- 厳格な正義と名誉心、そして人情味と慈愛を備えた武将・信長
- 非道な戦国武将・蝮(まむし)の道三を心酔させた若武者・信長
- 情報操作に騙されず人物の実像に迫ることの大切さ
1 概ね好意的に解釈されてきた過去の信長
織田信長を題材にして本を書けば、一年は飯が食えると言われてきた出版界において、過去、様々な作家によって信長は料理されてきました。
その人物像は、それこそ作家の独自な視点によって描かれてきたわけですが、その中で信長が起こしてきた敵の殲滅については、血で血を洗う戦国の世において、天下を平定するためだったという概ね好意的な解釈が取られてきました。
2 どこからか始まった現代版・信長包囲網
しかし、ここにきて状況が変わってきたようです。
美人脳科学者と呼ばれている中野信子氏が、根拠もなく著書で信長をサイコパスと断定したり、安倍応援団の筆頭・百田尚樹氏が、歴史本「日本国紀」で虐殺者と断罪したり、作家の垣根涼介氏が、小説「信長の原理」で人を人とも思わぬ信長像を描くなど、なぜだか現代版・信長包囲網が敷かれているようです。