2019/02/22

外資・戦略系コンサルティングファームのエッセンスが詰まった本「考える技術・書く技術」







ビジネスマンが自信を持って顧客へとプレゼンをしている


mohamed HassanによるPixabayからの画像 



戦略系といった外資のコンサルと聞くと、アラウンド不惑の私としては、初夏の陽光を受け止める穏やかな湖面のごとく、キラキラしたイメージを抱いてしまいます。

その職は、アメリカにおけるキング・オブ・ビジネスマンであり、マルボロやラークといった洋モクの広告よろしく、外国人が朝日を浴びながら浜辺をランニングする爽やかなイメージも加わると言っていいでしょう。





何だか、ルー大柴さんのような日英チャンポンの文章で、かつ多少盛りましたが、顧客に寄り添って問題を解決するコンサル職は、同じく高給取りで人気のある投資銀行のディーラーのように、マネーゲームの片棒を担いでいる感のある職種などよりも、よほど意義があるように感じられました。

日本でも、官庁や大企業で選抜された優秀な若手が、ハーバードなどの大学院でMBAを取得し、その後に転職をしていくといった花形職業のイメージがありました。

私自身、新卒で勤めた会社を辞め、次の道を模索していたとき、高校の同級生が外資のコンサルに勤めていたこともあり、この業界はどんなものかと調べるなど興味を持っていました。

今でも日本の高学歴学生には人気がある職ですが、アメリカでは以前ほどではなく、それどころか最早オワコンであるかのような記事を、現代ビジネスで目にしました。


「コンサルもMBAも、もはやエリートではない」現役MBA生のリアル


https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59217


ふむふむと興味深く読ませていただきましたが、確かに今は、スタートアップに投資して経営に深く関わるベンチャーキャピタルに取って変わられ、またエンジェル投資家やVCが充実している昨今は、単なる起業のステップにしか捉えられていないのも理解できるような気がします。

他にも、日経ビジネスの以下の記事のように、


[議論]外資コンサルって、役に立つんですか?


https://business.nikkei.com/atcl/forum/19/00012/012500003/?n_cid=nbpnb_mled_enew


といった、そもそも論の問題提起もあり、こちらも興味深く見させていただきました。

確かに、高い報酬の割には見返りが少ないとか、不確定の将来に対しては対症療法しか示せないとか、理論だけで現場を知らないなどの声を聞いたことはありました。

もちろん空理空論は論外ですが、正しい理論にも関わらず、現場がそれを実行できるだけの資源や能力がないということもあるでしょう。

また、その理論を現場にまで行き渡らせるまでが仕事であり、もし社員の意識改革といった精神的な仕事まで含めるとすれば、極めてシステム化された組織でない限り、外部からの口出しだけで改善させることは困難と言えます。

そもそものところ、外資のコンサルが頼みとする理論は真理なのでしょうか?

私はその名声と需要の正体を探るべく、若い頃幾つかの関連書籍に目を通しましたが、分かりませんでした。

もちろん実際に内部で働いてみないと分からないと思いますし、もしかしたら門外不出の虎の巻があるのかもしれず、ただ単に私が読み取れなかっただけなのかもしれませんが、その秘部に触れることは出来ませんでした。

ただその中で、一冊の本に書いてあったことだけは多大な示唆を与えてくれ、今でも文章を書くときや物を考えるときの柱としています。

それは、当時コンサルを目指す者にとって必読の書と言われていた、バーバラ・ミント著の


「考える技術・書く技術ー問題解決力を伸ばすピラミッド原則」(ダイヤモンド社)


に記されていた、MECE(ミーシー)という考え方です。

このミーシーとは、簡単に言うと、物事の要素を「漏れなく、ダブりなく」ピラミッド構造で分類して落とし込むということです。

例えばこの記事で私が書いた、


もちろん空理空論は論外ですが、正しい理論にも関わらず、現場がそれを実行できるだけの資源や能力がないということもあるでしょう。


という文章の中で、能力とは社員の能力や設備の能力だとしたら、並記する資源に含まれるのではないか? と考えるようなことが「ダブりなく」であり、資源や能力の他にも要素があるならそれを取り上げるのが「モレなく」です。

もちろん、事柄には単純に分けられない場合も多く、また言葉の定義といった根本的な問題も存在しますが、対象を正しく認識しなければ対策を立てられませんので、問題解決をする上で、事象のすべてを取り上げて尚且つ極限まで絞り込むことは、最も重要な事と言えます。

つまり、問題解決にこの手法を用いることは、万人にとって真理と言えます。

もっとも、その問いはそもそも解決すべきことなのかなどは、論理以外の直観や哲学が重要であり、また論理とは、出発点が間違っていれば、その論理的な帰結も当然誤ってしまうため、必ずしも万能ではありませんが、それでも分析・理解・問題解決・目的達成・説明など様々な場面においてミーシーという視点は大切であり、組織や売上の改善を図るといった際に、この手法を用いるのは正しいことだと思われます。

ただし、人や組織を劇的に変えるには、自らもリスクを背負い、一緒に汗をかかなければ難しいのは事実でしょう。

しかし、それでも優秀なコンサル社員であれば、外部からでも大きく内部を変えるだけの力を持っているのかもしれません。

それはまるで、間接的に触れたにも関わらず、優れた芸術作品が人の内面にまで影響を及ぼすように、あるいは、遠く離れているにも関わらず、太陽が地球に巨大なエネルギーをもたらすように、間接的にでも離れていても、多大な物理的作用をもたらす社員は存在するのかもしれません。

ということで、かつてはではなく、今もキラキラしたイメージを放つ外資コンサルのエッセンスが詰まった書籍、ダイヤモンド社の、


「考える技術・書く技術」


は読んでみて損はないですし、そもそも問題を抱えていない人など存在せず、また誰しもが何らかの目標を持っている訳ですから、本書は万人が読むべき一冊でしょう。

私が読んだのは二十年近く前のことで、もしかしたら内容を発展させた本や、内容を分かりやすく薄めた本などが発売されているかもしれませんが、オリジナルに当たることは有用でしょう。

以上、コンサル業界を知らない外野の人間が勝手に分析してみましたが、何かの一助にしていただけたら幸いです。












0 件のコメント:

コメントを投稿