2017/07/01

外国人旅行者に振舞う日本の家庭料理は何にすべきか?









画像 canva / demaerre



海外に住む外国人が思い浮かべる日本の料理とは、何でしょうか?

寿司・天ぷら・すき焼き・蕎麦・お好み焼き、などかもしれません。







そのため、日本の家庭料理の定番の一品である肉ジャガなどは、知らいない人がほとんどかもしれません。

肉じゃがの考案には、日露戦争を勝利に導いた東郷平八郎が関わっているとの逸話が日本では広まっており、その真贋は定かではないものの、海外でもアドミラル・トーゴーとして知られる人物に関する逸話のため、もしかしたら日本の肉じゃが料理を知っている外国人もいるかもしれません。

また、日本の一般的な海外で知られる日本を旅行する人たちに向けた海外のサイトには、夜の盛り場として居酒屋(IZAKAYA)を紹介しているところもあるので、もしかすると、肉ジャガを食べた外国人旅行者もいるかもしれませんし、提供している旅館もあると思いますが、普通の旅行者が短い滞在でホテルと観光地を往復してしまうと、出会う確率は低くなるでしょう。

日本のおかずの一品・肉ジャガは、味付けに醤油、みりん、日本酒といった日本特有の調味料を使用する日本の味とも言えますが、海外での認知度は遥かに劣ります。

他にも日本全国には、様々なダシを使った、普段食卓に上がる煮物の郷土料理がいくつもありますが、スシやテンプラといったビッグネームよりは知名度が遥かに劣ります。

このように、外向きの情報と実情が多少異なるケースはあり、それは料理にも言えることで、もしリピーターの旅行者などであれば、海外旅行先でも家庭の食卓に与り(あずかり)、その国に根付いた生の食文化に触れたいものです。

Webが発達した現代は、世界中で


C  to  C(個人間取引)

が活発になり、旅行の世界にもそれが波及しています。

EatWithというサイトがありますが、そこでは、旅行者と世界中の家庭料理を結びつけ、単なる旅行では味わえない現地の食文化を体験することができます。


サイトは日本語に対応しておらず、現地での英語がひとつのネックになりますが、臆せずに旅行日程に組み込み、生の食文化に触れてみるのもいいかもしれません。

Voyagin」という日本発祥のサイトも、ターゲットは主に日本を訪れる外国人旅行者ですが、家庭料理だけでなく様々なニッチなイベントを、ホスト国の日本人が提供しています。

Voyaginには、当然のように寿司を調理して食べるイベントが幾つかあります。

しかし、日本の江戸前鮨は外食として誕生したものであり、現在でも、家庭では滅多に作りません。

この寿司のイベントに外国人が参加することで、日本人が毎日のように寿司を作って食べているかのように誤解するだけならまだいいですが、このイベントに外国人旅行者が参加することで、本物の鮨職人が、手間隙と技術を掛けて作った握り鮨を旅行中に食べる機会を失ったなら、残念な気がします。


Voyaginには、本物の江戸前鮨を案内するプランが沢山あるので心配はいらないかもしれませんが、餅は餅屋のように鮨は鮨屋に任せ、あくまでも私個人の意見ですが、なるべくなら我々ホスト国の人間は、ホテルや旅館が積極的に提供しないもので、かつ普段食べている、卵かけご飯・お茶漬け・
肉ジャガや切り干し大根などの煮物・茶碗蒸し・豚汁や味噌汁・納豆・漬物・海苔・ブリの照り焼きやタラの煮付けといった、シンプルで土着の日本食を一緒に調理しながら、日本の生の食文化を紹介したほうが喜ばれるのではないかと思います。

また、全国各地で特色のあるお雑煮も、お正月でないと食べませんが、日本人にとっての定番料理です。

この中には調理と呼べないものもありますが、麹菌(こうじきん)を使った発酵食品は、日本の食文化に欠かせない伝統的なものです。

話が少し逸れますが、先日、東京のある街を訪れたとき、回転寿司のお店が外国人旅行者で賑わっていました。

もちろん私も回転寿司を食べに行くことはありますし、その店が美味しい握り寿司を提供していることもありますが、回転寿司はあくまでも亜流であり、たまに作る家庭での寿司も含め、日本の食文化の一面ではあるものの、鮨の本流ではありません。

回転寿司は、今や様々な特色を持ったお店も出てきていますが、干からびた握りが延々と回っていたり、予想以上に値が張ったり、職人ではなく機械が握っている店もあるので、せっかくならカウンターのあるお鮨屋で、日本の食文化を味わって欲しいと思うのがホスト国の人情です。

しかし、「Sushi  Tokyo」をGoogleで検索してみると、値段が高いお店ばかりと、一部の安い回転寿司のお店が出てくるだけで、普通の街中にある、手頃な価格で握りを提供しているお鮨屋はほとんど出てきません。

それは、普通の街中にあるお鮨屋は観光地ではなく、たいていが大将一人で切り盛りする小さなお店であり、宣伝もしていないためであり、この検索結果は当然と言えば当然です。

ただし、「Airbnb」などの民泊サイトが世界中の旅行者に利用されているのは、安いからもそうですが、現地の生活を味わい、ホストから現地の生の声を聞き、観光地といった表向きだけではないその国を体感したいという現れからです。

そういう想いに応えるとするならば、鮨が食べたいという外国人に対し、すきやばし次郎・鮨さいとう・紀尾井町三谷といったミシュランの星を獲得した高いお鮨屋や、安い回転寿司のお店だけではなく、手頃な価格で本流の握り鮨を提供しているカウンターのお店が日本には沢山あることを、教えてあげるべきでしょう。

現在多くの日本人が、回転寿司で外食を楽しむことは、いまこの国に根付いた本質ではあります。

新幹線で流れてくるデザートに、子どもたちが一喜一憂する姿も、この国に根付いた外食文化の一面です。

しかし、いつだったか、回転寿司屋にmy醤油を持参していた外国人を見かけた時、「おぬし、なかなかやるな」と思ったのですが、もしカウンターの寿司屋でこの行為をしたら、職人を侮辱したことになるはずです。

一人の外国人旅行者が、一生に一度しか日本を訪れないとしたら、一生に一度しか日本のお寿司を食べないとしたら、職人がこだわりを持って握ったsushiを、私としては食べてほしいとの思いがあります。

そして、もし海外から日本へ訪れた旅行者に料理を提供する機会があれば、お店では味わえない、各都道府県ならではの郷土料理や土着の日本料理を提供してあげるのがいいのではないでしょうか?








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