2017/04/13

おすすめの恋愛映画「ビフォア・サンライズ(恋人までの距離)」の会話から、モテ男とチャラ男の違いについて考察します








Free-PhotosによるPixabayからの画像 



恋愛映画「ビフォア・サンライズ」は、イーサン・ホーク演じるアメリカ人の青年と、ジュリー・デルピー演じるフランス人の女学生が、ヨーロッパの長距離電車内で隣り合わせに座り、会話を重ねていくところから始まります。

そして、二人で一緒にウィーンで下車し、朝まで街を散策していく物語となっています。

このようにストーリーは起伏のないものですが、ウィーンの歴史ある街並みを背景に繰り広げられる、二人の当意即妙な会話が、この映画の醍醐味です。






この映画を見終わったあと、私は主人公のアメリカ人ジェシーに嫉妬しました。

なぜなら私には、ジェシーのような洒落た・洗練された・気の利いた会話が出来なかったからです。

私も若い頃、ジェシーと同じようにヨーロッパへ旅行し、スイスのジュネーブからフランスのパリに向かう電車の中で、同じくパリジェンヌと隣り合わせになりました。

男と女が出会えば、たとえ国が違っても恋の花咲く事もある、などと期待したわけではありませんが、もちろん話し掛けました。

当時の私は、この映画のジェシーのような確固たる人生観もなく、話の糸口はフランスについてでした。

その頃のフランスに関する私の知識と言えば、エッフェル塔・凱旋門・ナポレオン・プラティニ・シャンパンサッカー・セーヌ川・ルーブル美術館・フランス料理・フランスパン・ラスコーの壁画・シャネル・蚤の市ぐらいのものでした。

今は多少知識も増えましたが、皆さんはどれくらいキーワードが思い浮かび、どれを会話の糸口として使いますか?

しかし考えるに、学生時代の世界史の授業は何だったのでしょうか。

主体的に学んでいなかった自分が悪いのですが、こういうときに役に立たなくて、どうするんでしょう。

なんて愚痴を言っても仕方がありませんが、当時の私は、拙い知識と英語で、パリジェンヌとの会話を進めていきました。


行く予定であったパリの蚤の市の事や、食べたことのないフランス料理の事などを話したでしょうか。

その後、案の定会話に詰まりました。

そして沈黙の時間が流れたあと、困った私の口から出た言葉は、



「あなたは香水は好きですか?」


でした。


オーマイガッ!

OH!MYコンブ


フランスと言えば香水だと思ったのでしょうか。

確かにフランスでは、香水と呼べるものが、オードトワレ、オーデコロン、パルファムと、濃度や持続時間により言葉が分類されており、日本よりも香水に対する意識が洗練されています。

しかしそのことは、香りが必要であったお風呂に入らない歴史
や、アジア人と比べて強い体臭を持つことの裏返しでもあります。

17世紀から18世紀にかけて、豪華絢爛なベルサイユ宮殿では、着飾った紳士淑女が集い、夜ごと舞踏会が開かれていましたが、実はおまるで用を足し、排泄物を宮殿の庭に捨てていたのは有名な話です。

また、フランスといったロマンス語に括られるラテン系は基本的に肉食文化と言われています。

つまり私が彼女に投げ掛けた、「香水は好きですか?」という問いは、


「あなたは臭いですか?」



と同じことです。


オーマイガー!


この過ちに気づいたのは、帰国後に旅行を振り返ったときでした……


日本の皆さん、誠に申し訳ありませんでした。


ここらで話を映画に戻しましょう。

電車の中で意気投合した二人ですが、電車がウィーンに到着し、ジェシーが降りるために別れがやってきます。

しかし、一度は電車を降りたジェシーですが、セリーヌを誘いに電車へ戻ってきます。

そのときシャレオツなジェシーが発する文句がニクイのです。


「今から10年か20年後、君は結婚している。結婚生活はかつての情熱を失った。君は夫のせいにし、昔出会った男たちのことを思う。その中で誰かを選んでたらと……例えば僕だよ。これは未来から現在へのタイム・トラベル。若い頃失ったかもしれない何かを探す旅」


Think of it like this: jump ahead, ten, twenty years, okay, and you're married. Only your marriage doesn't have that same energy that it used to have, y'know. You start to blame your husband. You start to think about all those guys you've met in your life and what might have happened if you'd picked up with one of them, right? Well, I'm one of those guys. That's me y'know, so think of this as time travel, from then, to now, to find out what you're missing out on. 



引用 作中


キャー!!!

男の私でもイチコロな名文句であり、まるでタンチョウの求愛ダンスのように言葉が躍動しております。

そのジェシーの殺し文句に、電車でバタイユの小説「マダム・エドワルダ」を読み、ソルボンヌに通う才女のセリーヌは、やられてしまい、一緒にウィーンで下車することになります。


この先は映画でお楽しみください。


では、冒頭に私が提起した、会話の上手な男とチャラ男とを分かつものは何か、考察してみたいと思います。


会話が上手な人は、大抵ユーモアがあります。

場を和ませる諧謔(かいぎゃく)が会話に出てきます。

しかし、チャラい男の代表格であるナンパ師も、女性の警戒を解くためのユーモアを備えています。

それでは、ユーモリストであることではなく、会話の上手な男とチャラ男との違いは何なのでしょうか?

それは、幅広い知識に裏打ちされた教養を、状況に応じて会話に含ませることができるか、だと思います。

つまり、機転のきいた知性が見え隠れする、ウィット(wit)やエスプリ(esprit)に富んだ会話が使えるかでしょう。

先ほど引用したジェシーの殺し文句は、2ちゃんねるの就職版に書き込まれた以下の言葉と似ています。



10年後にはきっと、せめて10年でいいからもどってやり直したいと思っているのだろう。今やり直せよ。未来を。10年後か、20年後か、50年後からもどってきたんだよ今。


引用 2ch 就職版


この映画と2chの発言のどちらが先か、もしくは他にオリジナルがあるのか分かりませんが、このような言葉を自分の中で血肉化し、必要に応じてアウトプットできることが、会話上手の条件なのではないでしょうか。

もちろん、教養を自由自在に操るチャラ男もいるはずですが、ここでは置いておきましょう。


まとめ


セックスに教養は必要ありませんが、恋の駆け引きには、


機知

その場に応じて、とっさに適切な応対や発言ができるような鋭い才知。

出典 コトバンク 小学館 デジタル大辞泉について


が必要であることを、この映画から学び取れます。

いやもしかすると、性交中の言葉責め攻めがエロティシズムを掻き立てることを考えると、人間のセックスには、獣の交尾とは違い、教養や機知が必要なのかもしれません。








引用紹介映画



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