2017/03/24

怒りを対処するアンガーマネジメントについて、「韓信の股くぐり」を参考にしながら考察します









Wendy CorniquetによるPixabayからの画像 




人間である以上、生きていく上で様々な感情を抱きます。

その中でも、とりわけ負の感情は当人をがんじがらめにしてしまい、犯罪の契機にもなり得ます。


憎悪・嫉妬・復讐・恐怖・虚栄・絶望・不安・迷信・激怒・悲観


これら負の感情は、小説の題材になくてはならないものですが、実生活で抱きたいと思う人はいないでしょうし、並べられた漢字を見るだけで嫌な気持になります。




負の感情は、時に大きな原動力となることがありますが、本人はその対象に囚われて苦しみを感じているので、何かを成すための原動力は、純粋である方が精神にとっては健康的です。


では、これら負の感情の中でも頻繁に沸き起こる怒りについて、対処法を考えてみたいと思います。

怒りとは、我々人間が抱く感情の一種であり、動物も相手を警告するために用いるように、人間の中でも古い感情の部類だと言われています。

そして、痛みが我々に危険信号を伝えているように、怒りもまた、自らの安全が脅かされたときに発せられる正常な反応と言えます。

ですから、怒りを抑えつけたり、逸らしたりすることは不自然なことなのかもしれません。

怒りを無理に押さえた結果、その鬱憤が積み重なって限度を越えたとき、心は均衡を保とうとして大きな反作用を生じてしまい、そうなれば元も子もないので、怒りの感情は素直に受け止めて表せばいいようです。

しかし、怒りをすべて表していたら、人間関係が円滑に進まず、また自分も疲れてしまいますし、普段から怒りを表現していると、瞬間的に沸いて膨れ上がる大きな怒りに直面したとき、突発的な行動を引き起こしてしまう可能性があるので、怒るのは極力控えたほうが良さそうです。

ですから、怒るべきときは怒り、我慢するときは我慢することが理想です。

特に男性の場合は、喧嘩が後に絆を生むことがありますので、怒りを効果的に使えると良いでしょう。

義憤に駆られてなんて言葉も美しいですね。

しかし、世の中そんなに上手くいきません。

理不尽な言動に対し、じっと我慢しなくてはならないことも多いでしょう。

そのため、怒りが積み重なる前に、吐き出す、受け流す、打ち消すなどのコントロールする方法を考えてみたいと思います。


吐き出す

  1. 全速力で走る。格闘技など負荷をかけた運動を行う。
  2. 皿を割るなど破壊行為をする。
  3. 大声で叫んだりカラオケをする。
  4. 真剣で試し斬りをする。

受け流す
  1. この人は今日財布を落としたからこんな言動をするのだと考える。
  2. 可哀想な人だなと思う。
  3. 神様は私を試しているのだと思う。
  4. 相手の長所を思い浮かべる。

打ち消す
  1. 五秒数える。
  2. 深呼吸する。
  3. 寝る。
  4. 音楽を聞く。
  5. 風呂にゆっくり入る。


怒りを内に抱えていると、人に優しくできないとも言いますので、各人に適した解消方法を見つけ、余計なストレスのない生活ができるといいですね。


なお、そもそも怒りを感じないようにするには、他人にあまり期待せず、広い心を持つことが大切かもしれません。

最後に、歴史上の逸話を紹介します。

漢の大将軍・韓信は、若いころ町のゴロツキに、


「お前は大男でいつも剣を帯びているが、根は臆病者に違いない。その剣で俺を刺してみろ。できないなら俺の股下をくぐれ」


と絡まれました。

韓信はしばらく男の顔を凝視していましたが、やがて、おもむろに身をかがめ、男の股下を這い出るようにくぐりました。





歌川国芳 韓信胯潜之図
Wikimedia Commons パブリックドメイン


これを見た周囲の者は、韓信の臆病ぶりを大いに笑ったと言います。

では、なぜこのとき韓信は黙って股をくぐったのか?


それは、大志があったからです。


ここで、怒りの感情に流されて男を斬ったとしても、何もならないことを分かっていたからです。

この話は、大望のある者は、目の前の小さな恥辱を耐え忍ぶものである、という


韓信の股くぐり(韓信匍匐)


として知られています。

後に、劉邦が皇帝に即位し、韓信は楚王に封じられて故郷に凱旋します。

その時この男を呼び出し、お前がいたから私は大将軍になれたのだ、と感謝して中尉の位に任命します。

この話を、一時の感情に振り回され、人生を棒に振ることのないように、戒めとしたいものです。








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