2017/12/24

東大理三の知性を佐藤亮子さんの勉強方法と言葉から紐解く エリート今昔比較





1 注目を浴びる東大生の母親・佐藤亮子さん




最近とある母親が脚光を浴びています。

それは、自分の子供4人全員を、東京大学理科三類に入学させた佐藤亮子さんです。





今まで、子供全員を東大や京大に入れた親御さんの本はありましたが、日本の偏差値最高峰の東大理三となると初めてであり、俄然その教育方法に注目が集まっています。

2017/11/24

物事を達成するために一番大事なこと おもちゃのクレーンゲームから「ホモ・サピエンス」というラテン語名を考える






UFOキャチャー クレーンゲーム


ShioriさんによるイラストACからのイラスト 


娘が小さい頃、ゲームセンターでクレーンゲーム(UFOキャッチャー)をやったことがあります。

対象は可愛らしいぬいぐるみで、ケースに何種類かある中で娘の希望するものに焦点を定め、試行錯誤しながら三回ほど行いました。

しかし、結局取ることは出来ませんでした。





これ以上やっても無駄だと思い、その場から去ろうとしたのですが、娘がどうしても欲しいと言うので、再び挑戦することにしました。

2017/11/19

愛国心とは? を進化の視点から考察します





日の丸 国旗 日本


愛国心という言葉は、日本ではあまり良い意味に用いられていないようです。

日の丸や君が代など、国旗や国歌に嫌悪感を示す人たちが、今でも大勢います。





その原因は、大東亜戦争における徹底的な敗戦、GHQの統治方針、戦後蔓延した共産主義思想、日教組による左翼教育、反日勢力によるプロパガンダなどによるものと思われますが、愛国心という響きに悪い印象を持つ国民が、特に過去の日本には大勢いました。


2017/11/04

就活で自己分析を行う前にすべき大切なこと







ホームズのような探偵が虫眼鏡を見ている


OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像 


やりたいことが分からない、好きなことが見つからない、と悩む若者が大勢いることはよく聞かれます。

Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズは、スタンフォード大学での卒業スピーチで学生に向け、


「自分の好きなことに出会えば、心が自(おの)ずから分かる」


と語りかけています。





ただしこの主張は、自分の気持ちに正直に生きてきたジョブズだからこそ口にできた言葉であり、自分の気持ちを偽って生きてきた人や、親や社会の常識で物事を判断してきた人は、好きなことに出会っても分からないはずです。

2017/10/29

外部環境の変化に対する適応力を身につける方法  






平家物語 下村本 諸行無常 変化適応力


平家物語 下村本

パブリックドメイン



音楽を聴く環境は、レコード、カセットテープ、CD、MD、ハードディスク、そしてWEB上へと変化していきました。

今の状況を昭和の時代に予測できた人はほぼいないはずですが、社会は常に変化しており、従来のやり方に固執していれば、あっという間に取り残されてしまいます。





音楽を聴く側であれば構いませんが、楽曲をユーザーに提供し、お金を稼ぐ手段とする場合、現在CDの販売だけを行う業者は存在していないはずです。

現代の若者にとって、音楽とはネットを通して聞くのが当たり前であり、その環境も、かつてはプレイヤーに曲を落とすダウンロードが主流でしたが、いまは大容量のデータ送信環境が整い、ストリーミングに取って代わられており、特典などを除けば、CDを購入する行為に食指が動くことはないでしょう。

このような技術の進展に伴う消費者の変化に、供給側は追い付いていけなければ生き残れません。

常識を否定する第一歩はファーストフードでお水を注文することである






常識


Clker-Free-Vector-ImagesによるPixabayからの画像 


世の中には、常識の顔をした欺瞞が溢れています。







常識だと思われていることの本質を暴き出し、常識に囚われている自分を理解し、そんな自分を解放することは、生きていくうえで大切なことです。


このように、世に蔓延するあやふやな常識に対抗するためには、まず多くの情報に接することが大事ですが、常識が胡散臭いものだと分かったとしても、その常識を否定することは今までの自分を否定することに繋がり、皆と同じである安心も放棄することになるので、躊躇してしまいます。

生物は保守的で、たとえ嘘の常識でも、今までの物の見方に安住していたほうが楽であり、差し迫った危機が訪れなければ、そこから脱出を図ろうとはしません。

そして、差し迫った危機が訪れると、常識を押し付ける側は恐怖の感情を煽り立て、巧妙にその点を突く罠を仕掛けてきます。

ではここで、常識に凝り固まった人が脱皮を図るきっかけとして、お札を破るような突飛な方法ではなく、簡単にできる行動を提示したいと思います。


それは、ファーストフード店でお水を注文することです。


一見なんでもないことのようですが、定食屋ではドリンクを頼まないのに、モスバーガーやバーガーキングなどのお店では、大概の人が飲料水を頼みます。

もちろん、ハンバーガーには炭酸飲料が合うからとか、セットに組み込まれているからという意見はありますが、ここには一つの常識が存在しています。


普段当り前だと行動していることに対し、常に疑ってみることが大事でしょう。


ここで、歴史上の逸話を紹介します。


江戸幕府の10代将軍である徳川家治は、小さい頃、祖父の吉宗に何か字を書くように言われ、皆の前で習字を始めました。




徳川家治


徳川家治
Wikimedia Commons  パブリックドメイン



家治は、そこで「」という字を書き進めましたが、予想以上に字が大きくなり、三画目が収まりきらない状況になりました。

しかし家治は、いささかも動じることなく、右払いを畳の上にはみ出して書きつけました。

これを観た吉宗は、その気立てを大いに喜び、頭を撫でたということです。(徳川実記)

このエピソードから分かることは、暴れん坊将軍が名君かはさておき、器の大きな人間であったことが分かります。


この話に感心する人であれば、常識に縛られた状況を脱出できるはずです。

そして最後は教育論になりますが、独創的な創造やアイデアは、常識から生み出されることはありません。

親は子供が徳川家治のような行動をしたとき、自分の矮小さに囚われず、八代将軍・吉宗のように褒めることのできる人間でありたいものです







2017/10/14

フィンセント・ファン・ゴッホの糸杉(Cypresses)に見る絵画の接し方







メトロポリタン美術館 THE MET

NYメトロポリタン美術館(THE MET)


anielbaez0によるPixabayからの画像 



海外旅行の楽しみとして、美術館巡りを挙げる人は多いかもしれません。

絵画などは、各国の美術館を転々とすることがあるとはいえ、そのときそこでしか観られない美術品も当然あります。





また、その作品が現地で製作されたものならば、旅先で感じた土地の息吹きと共に接することで、より深く対象に迫れるでしょう。

2017/10/08

おすすめのドキュメンタリー映画「ザ・ムーン」 太陽系を飛び出す人類の未来と挑戦を占う 









The Needle Galaxy





人類に残された最後のフロンティアは、宇宙です。

約700万年前に、ボノボとチンパンジーの共通祖先と分岐して独自の進化を遂げてきたヒトは、やがて地球上の隅々まで進出し、ついには宇宙空間にまで飛び出して行きました。





第二次世界大戦後の米ソ冷戦によって宇宙開発に巨費が投じられ、


  • 1957年に、世界初の人工衛星「スプートニク」がソ連によって打ち上げられ、
  • 1961年に、ソ連のガガーリンが地球を1周して人類初の宇宙飛行士となり、
  • 1966年に、ソ連の月探査機ルナ9号が月面軟着陸に成功し、
  • 1969年に、アポロ11号がアメリカから打ち上げられ、搭乗員のニール・アームストロング船長が、人類初の月面への一歩を記録しました。


しかし、その後の宇宙開発は停滞し、月面を歩いた人間は12人を数えるのみで、現在は火星に移住どころか月面基地すらも建設されていません。



2017/10/06

特攻を遂げた日本の若い命と本音の遺書 その裏で戦争や暴動を操る者たちの正体






神風特別攻撃隊として出撃する穴澤利夫少尉を見送る、なでしこ隊


穴澤利夫少尉搭乗機 「隼」 知覧飛行場


出典 「毎日グラフ」1965年11月25日臨時増刊号〜続日本の戦歴
撮影日 1945年4月12日 撮影者 Hayakawa (早川)
Wikimedia Commons パブリックドメイン





目次 読了8分




  1. 神風特別攻撃隊の編成
  2. 本心は胸の内にしまった特攻隊員たち
  3. 自分の本心を書き残した一部の特攻隊員
  4. 特攻隊員の想いを愚弄する一部の人間
  5. 今の日本は死を賭して守ろうとした隊員の想いに応えているのか?
  6. 対立や事件を意図的に作り出し、紛争や戦争を創出してきたディープステート
  7. 911の暴挙によって目覚めたアメリカ国民
  8. ISISはオバマとヒラリーが創ったと叫ぶトランプ氏を大統領に選んだアメリカ国民
  9. 北朝鮮とはCIAを通じて裏で繋がっていたアメリカ
  10. 横田基地と平壌が軍事便で結ばれていた証拠画像
  11. 安倍晋三はディープステートの台本を読むだけの役者
  12. 自民党清和会と旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の深い繋がり
  13. 小泉純一郎が拉致被害者を取り戻して8月15日に靖国参拝した理由
  14. 国家の独立でも何でもない安倍政権の憲法改正
  15. ディープステートと戦ってきたロシアのプーチン大統領





1 神風特別攻撃隊の編成



第二次世界大戦末期、日本は劣勢を挽回するため、人間もろとも飛行機で敵艦に体当たりする神風特別攻撃隊を編成しました。

生還率ゼロの特攻は、空だけでなく海や陸でも行われ、二十歳前後若者たちは、遺書を残して出撃していきました。





その後世に託された多くの遺書は、靖国神社の遊就館や、各県の護国神社や、知覧特攻平和会館などで実物を見ることができます。


2017/09/28

戦争をテーマにした純文学短編小説 「最後の授業」









表紙 いおりんさんによる写真ACからの写真を改変



この道を行けば、どうなるものか

危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし

踏み出せば、その一足が道となり

その一足が道となる


迷わず行けよ

読めばわかるさ


内容はタイトルそのまんまです。

Brandーnew 純文学短編小説。


ありがとー!!!










2017/09/23

リチャード・ギア主演のおすすめ映画「愛と青春の旅立ち」 青春映画の金字塔かつ出世作








skeezeによるPixabayからの画像 


大東亜戦争で徹底的に敗れた日本は、戦後アメリカの庇護のもと、大量のアメリカ文化を受け入れて育ちました。

ハリウッド映画はその尖鋭としての役割を担い、自由で豊かなアメリカを日本国民は見せつけられてきました。







そのため戦後の日本では、無条件にアメリカ文化を賛美する風潮が色濃く存在し、それらが本作の評価を押し上げていると思われますが、それを抜きにしても、青春映画の王道と言える作品でしょう。

2017/09/15

初心者にもおすすめの村上春樹・短編小説「かえるくん、東京を救う」






カエルの置物


canva kamilさんより



村上春樹氏といえば、コアなファンとアンチに真っ二つに別れ、作品に賛否両論が巻き起こります。

アンチからすると、話の内容にリアリティがなく、論理も破綻し、会話もファンタジーすぎて、読み進むことができないとなり、ファンからすると、そのファンタジーが現実を映す鏡であり、リアリティが存在するとのようです。






個々の作品や文章の解釈にも、特段まともな意味はないとするアンチと、その中に何かが表象されていると絶賛するファンに別れます。

この終わりそうもない議論はさておき、それでも彼は世界的に名が知られ、日本を代表する作家です。

そんな春樹氏の作品でもっともおすすめしたいのは、


かえるくん、東京を救う


です。

この作品は、1999年に発表された短編集「神の子どもたちはみな踊る」に収められた一編です。

その詳細な理由は後ほど解説しますが、本記事は、彼の作家としての軌跡と、代表作である「ノルウェイの森」や「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を多角的に紐解いていきます。

春樹氏が文壇デビューを果たしたのは、氏が30歳のときの1979年であり、長編小説の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を獲得し、作家としての道を歩み始めました。

その2年後に、経営していたジャズ喫茶の店を畳んで専業作家となり、そこから精力的に短編を書き続け、長編も着実に出していきました。

そんな春樹氏を一躍有名にしたのは、37歳のときに書いた恋愛小説「ノルウェイの森」でした。

当時としては空前の売り上げを誇り、社会現象すら巻き起こし、現在まで1000万部以上売れている大ベストセラー作品です。

本の内容は、何の変哲もない恋愛と呼べるか分からない恋愛小説であり、愛にまつわる人間のおぞましい欲望や高潔な精神が描かれているわけでもなく、恋の駆け引きや苦悩が表現されているわけでもなく、無意味に人が自殺する論理もへちまもない作品ですが、日本中で売れに売れました。


では、この作品が売れた理由を考察してみます。


この本が発売された1987年の世相は、バブル景気が加速していく頃で、人々はお金を持っていたことが売れた要因として1つあるでしょう。

また物語の冒頭は、ハンブルク空港に着陸しようとするボーイング747の機内であり、そこからBMW、フランドル派、ビートルズ、ビリージョエルと登場し、極めつけはスチュワーデスとの英会話と、2ページの中に異国の香りがところ狭しと漂い、好景気により増えていた海外旅行へ誘う文面が、人々の興味を誘ったこともあるでしょう。

他には、好景気によって生存の不安がなくなり、人生の目的がないとすれば、あとは異性を求めるだけですから、恋愛小説と銘打ったこの本に指南書としての役割を期待し、購入されたのも1つの要因でしょう。

本の装丁が赤と緑のクリスマスカラーで、自分や他人へのプレゼントに選ばれたのもあるかもしれません。

さらには、流行している本だから素晴らしいのだ、という日本人特有の同調圧力が売り上げを加速させたことも要因としてあるでしょう。


しかし、本質は違うところにあると私は考えます。

好景気に浮わつきつつ、買い物や旅行、高級レストランやディスコに精を出したとしても、心からの充実は得られません。

むしろ、物質などの外から与えられる条件が増せば増すほど虚しさは募り、人々の満たされない気持ちは心の奥底に積もっていったと思います。

そんなときに、意味もなく自殺し、意味もなくセックスをする、退廃的で不合理でアンニュイな、文学という衣をまとった春樹氏の作品が登場しました。

人々の満たされない気持ちが、作中の登場人間たちの行動によって正当化され、読者たちは救われたのではないでしょうか。

まさしく小説ノルウェイの森は、時代に蔓延する満たされない精神を、投影していたのです。


彼は決して時代に媚びたのではなく、時代と寝ていたのです。

その後の春樹氏は、国内ではベストセラーを連発し、海外でも売り上げを伸ばしていき、作家としての地位を磐石なものにしていきました。

また、ノーベル文学賞に近い作家に与えられるとされる、フランツ・カフカ賞やエルサレム賞も受賞して、有名作家への仲間入りを果たしていきました。

このような順風満帆な春樹氏に鉄槌を食らわしたのが、2013年に発売された、



「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」


に対する数々の悪評でした。

作品におけるリアリティのなさが、多くの人々の槍玉に挙げられました。

春樹氏の多くの作品はファンタジーであり、そこを受け入れて楽しむ読者が大勢いますが、多崎つくるはファンタジーを抜きに成り立つ現代小説であり、読者を納得させて虚構に入り込ませるには、細部にわたる論理的な必然性が求められます。

しかし、多崎にはそれがなく、読者のなぜという疑問に答えは示されず、読者は置いてきぼりをくらいます。

また、孤独や悩みを扱っているにも関わらず、毎度のようにセリフが軽薄で、まさにファンタジーであることから批判に晒されました。

そのリアリティのなさは、春樹氏が本物の苦悩を経験していないからなのか、金と名誉を得たことで書くモチベーションが見つからないのか、ただ単にライターや編集者が書いているからなのか、もともと細部にわたる論理を構築できない作家なのかは分かりませんが、多崎つくるは物語として上手く機能しているとは言えず、巡礼という大袈裟な言葉が上滑りし、浅薄な感は否めませんでした。

人気作家の宿命とはいえ、毎回期待されるのは酷のような気もしますが、多くの人々は、メディアや評論家が垂れ流すうんざりするほどの賛辞に反旗を翻しました。

特に、Amazonに書き込まれたドリー氏のレビューが注目を浴び、その的確で面白い書評は、多くの人々の賛同を集めました。

春樹氏の作品で語られる、凡人には読み取れないが、実は高度な内容や深遠な哲理が隠されている、などという売り文句に惑わされず、読者たちは自分の判断で作品を評価しました。

他にも、海外で評判だから、外国人が評価しているから春樹の作品は凄いのだといった、日本の有史以来続く卑屈な根性を、ネット時代の闊達な精神によって打破されたことは、画期的であったとも言えるでしょう。

そもそも、作家の本質が現れる処女作の「風の歌を聴け」にしても、





たんぽぽの種が風に吹かれて飛んでいく


Michael SchwarzenbergerによるPixabayからの画像 



論理とは無縁の作品で、虚心坦懐に接してみても、心に届いてくる文言や唸らされる言い回しは、題名以外何もありません。

死は生の対極でも一部でもなく、一体(一如)です。

本人は論理では分からないと語っているそうですが、我々は論理や因果律の世界に生きています。


仮に違う認識論があるとしても、読み終えた後に物語から浮かび上がるテーマは残念ながらなく、少なくとも今までに挙げた作品は、小説であっても芸術ではありません。

では、彼の作品に捧げられた数々の賛美は、すべてがメディアによって作り上げられた資本主義社会の虚構なのでしょうか?

私は、春樹氏の作品をすべて読んだわけではありませんが、1999年に脱稿された短編「かえるくん、東京を救う」は、素直に感情を揺さぶられました。

本編は、神戸の震災にまつわる短編集「神の子どもたちはみな踊る」の中の一編であり、彼の特徴が凝縮された作品だと思います。

内容は、主人公がアパートに帰ると、部屋に巨大なカエルが待っているところから始まるファンタジーになりますが、1つの世界観が見事に構築されています。

主人公の片桐は40歳の独身で、信用金庫に勤める平凡な男として描かれ、その片桐に対し、東京を救うためあなたの力が必要だとかえるくんは訴えます。

その理由は、片桐の勤める信用金庫新宿支店の地底には、巨大なみみずくんが住んでおり、そのみみずくんが近々大きな地震を起こす予定で、それを未然に防ぐために、2人で協力してみみずくんと闘おう、とかえるくんは片桐に説きます。


そして春樹氏は、この闘いのことを次のようにかえるくんに言わせています。


負けても誰も同情してくれず、勝っても誰も誉めてくれない孤独な闘いではあるが、遂行しなければならない。



これと同じように、世の中の圧倒的多数の人が、俗に言う成功とは無縁で、誰にも顧みられることのない日々の中で、自分の考える闘いを生き、そして死んでいきます。

阪神淡路大震災で命を落とした何千もの無名の人たちも同じであり、そんな無数の無名の人々の行動によって、我々の社会は循環しています。

そして、闘いを終えて傷ついたかえるくんは、悪臭を放ちながら大宇宙に還っていき、
物語の最後に主人公は夢から覚めます。

いわゆる夢オチですが、ここに登場するかえるくんは、これからの片桐を暗示し、またその片桐は、市井に生きる無数の平凡の人々を象徴しているのではないでしょうか。

我々人間は、夢のように儚く短い一生において、繰り返しますが、自分の正しいと考えるものに対し、多かれ少なかれ闘いを挑み、ほとんどの人は勝つにしろ負けるにしろ、注目を浴びることなく死んでいきます。

今はWEBの発達により、ツイッターのリツイートなどで個人が脚光を浴びる時代になりましたが、それでも大多数の人はそのようなものとは無縁の中で生き、そして死んでいきます。

春樹氏本人は、俗に言う成功を収め、富も名声も手に入れましたが、しょせんは邯鄲の夢の儚い栄華であり、そんなことは人生において一義的ではないと、阪神大震災における無数の人の死によって、本人は潜在顕在どちらにしろ気がついたのではないでしょうか。

そして、もしかしたら当時の自分に疑問を抱き、シャレオツ気取りの主人公ではなく、自分とは違って注目されることのない平凡な人々に光を当てたのではないでしょうか。

そのような春樹氏の想いが、同時代に生きる人々との時代的共感にまで昇華されている、と作品から感じたのは私の思い過ごしでしょうか。

またこの短編も、多崎つくると同じで物語における論理的な必然性は存在しませんが、不合理を上回る世界観が構築され、ファンタジーの中にリアリティを見出だすことができます。

最後にかえるくんは死んでいきますが、そこから感じたのは人間賛歌でした。

なぜなら、生と死は一体であり、また、人生における闘いが、たとえ誰にも顧みられなかったとしても、そこには必ず人間ドラマが存在し、人間の生きた証が存在するからです。

物語の終わり方も秀逸で、私はこの作品から閑吟集の一節が思い浮かびました。


なにせうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ


ということで、私が考える春樹氏のおすすめ作品は、「神の子どもたちはみな踊る」に収められた「かえるくん、東京を救う」の短編です。

本文には、過去の文学作品を面白おかしく引用している箇所がありますが、それらを知らなくとも読み通せますし、むしろその部分が、アンチにとっては鼻に付く記述であり、ファンにとっては流石春樹となる記述でもあるので、彼を理解する上で、読んでおかなければならない作品でしょう。

この作品が傑作かどうかは、「百聞は一見に如かず」だと思いますので、もし興味を持った方は読んでみてください。






紹介図書
神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)  村上春樹




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2017/09/13

小説の会話文に方言を使用して登場人物を区別する だがや せやろ どすえ?








舞妓(ふく乃さん)
Photo by Yoshiyuki Komori.     CC-BY-SA  55maiko.net


会話文のない小説は、稀にしか存在しません。

人間は社会的な動物であり、他者との関わり合いの中で生きており、芸術作品とは社会を映す鏡だからなのでしょうか?





特に、小説は人の生き様を表現することが多いため、会話文が出てくるのも当然と言えるでしょう。

ただし、小説における会話は、当然ですが音声ではなく文字になります。

我々が相手の言葉を読み取るときは、状況を基に、相手の性格・声の調子・顔の表情・しぐさなども加味し、総合的に判断しています。

よって、文字の会話を読み手に上手く伝えるには、それ相応の工夫が必要になりますが、基本的には周囲の地の文で説明することになります。

しかし、会話文に説明を加えても、いまいちはっきりしないことも多いため、以下のような記号を使い、情報を付加します。



 () 感嘆符

 () 疑問符

 () 三点リーダー

 () ダッシュ


それでも足りない場合は、文字のフォントや大きさを変えたり、絵文字すら使用する作家もいます。

このように、あれこれと手を加え、会話文を分かりやすくしようと努めますが、複数の人間が集まった会話になると、誰が誰だか分からなくなることが頻繁に起こります。


そこで登場するのが、方言を話す人物です。

関西弁を話す人物がいれば、当然ですが、会話の判別がつきます。

関西人はうるさいとする考えは紋切型であり、関西人だからといってギャグを求められるのは困ると言われるように、癖のある関西人を安易に頼るのは良くないかもしれませんが、1つの特徴としては描けます。

また、内気な関西人を描ければ、それはそれで特徴になります。

ただし部外者が使用すると、そんな関西弁はないなどと言われてしまうように、なんちゃって方言になってしまうことはよくあります。

ただそれでも、関西と一括りに言っても、使用されている言い回しや単語はかなりバラツキがあるようです。

関西でもこの地方では使うが、他の地方ではまったく使わない言い回しというのもあるようです。

そんな注目の的となる関西弁や、こちらも特徴のある名古屋弁など、今は標準語から様々な方言に変換してくれるサイトがいくつも存在しますので、作家の皆さんはチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

また、舞妓さんが話す「~どすえ」は、一般の京都人は使用しないそうですが、ゆったりとした京都弁に魅力を感じるのは、私だけではないでしょう。






2017/09/05

人生の目的とは何か? 進化生物学的な観点から答えを出しました。






挑戦 人生の目的とは何か? 進化生物学


人生に目的など要らない、と言う人がいます。

自らの欲望の赴くまま、好きなことをして生きていけば良いとする考えや、生きてるだけで丸儲けという言葉のように、特別なことを求めず、つつがなく暮らしていけば良いとする考えがあります。

これらの意見は、物理学者のシュレーディンガーが唱えた、生物の条件である代謝だけをしているとも言えます。





代謝とは、外界から体内に物質を取り込み、合成や分解によって新たな物質やエネルギーを作り出し、生命を維持するための一連の動作のことであり、人間は呼吸や食物の摂取を通して行っています。

このように、ただ生きているだけでいい、それが人生の目的であるとする考えがあります。


2017/08/28

メタ認知の概念をわかりやすく解説し、その効果と鍛え方を提示します






自分を客観視できるもう一人の自分を育てる方法

Free-PhotosによるPixabayからの画像



目次 読了5分


  1. 注目を集めるメタ認知という概念
  2. もう一人の自分が本体の自分をチェックする行為
  3. 自分を見つめる事でしか見えてこない自分の弱さ
  4. 自らの内に生じた弱さと向き合うために必要なメタ認知
  5. 肉体と精神ではなく精神だけを主体と客体に分ける行為
  6. 他人の視点から自分を観察する行為
  7. メタ認知を備えた人は難しい事柄を簡単に説明できる
  8. 鏡を見ながら自分に語りかけることで獲得できるメタ認知





1 注目を集めるメタ認知という概念



世間では、いまメタ認知という言葉が注目を集めています。

優秀な人は、間違いなくこの概念を自分に当てはめ、物事を処理しているとも言われます。





この言葉を簡単に説明すると、精神を主体と客体に分けるということです。


2 もう一人の自分が本体の自分をチェックする行為



もっと分かりやすく言うと、まず誰にでも自分という存在がいます。そこにもう一人の自分を作り出します。そして、そのもう一人の自分に本体の自分を見つめさせ、チェック機能を働かせるということです。

この言葉について、バンジージャンプを例にあげながら詳しく解説し、そして、もう一人の自分を上手く育てていく方法を提示します。

2017/08/21

AIが作成した小説から人工知能の未来を考えてみます






1 誰にでもなれる人類最後の職業・小説家




誰にでもなれるという意味で、人類最後の職業とも言われる作家稼業ですが、Webの発達で参入障壁が低下し、世の中には様々な小説が溢れ、競争は激しさを極めています。

この混沌とした状態の中に、社会へと急速に広がる人工知能の書いた作品が参戦してくるとなると、未来はどのように進んでいくのか予測がつきません。







2 世に出始めたAIの書いた小説




実際に、AIによって書かれた小説は誕生しており、その中でも、公立はこだて未来大学を中心とした、


きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ


が知られています。

開発当初は、文章かストーリーのどちらかをAIが作成するのみで、人間の手を借りない創作は不可能でしたが、2016年に完成した、


人狼知能能力測定テスト」


という題の作品は、文章とプロットの両方をAIが作成し、正真正銘のAIが完成させたものになります。